クラウド化する世界
クラウドは、インターネットを使って、多様な機能をサービスとして提供するコンピューティング・モデル。
いまの瞬間は、セールスフォース・ドットコムが提供するSaaS型CRMサービスがその代表的な例だ。
その意味で、クラウドはビジネスモデルでもある。
クラウドを発電所になぞらえて解説している本がある。
昔、電気が工業生産に使われるようになってまもない頃は、それぞれの工場にあった蒸気機関を利用した発電機が、工場ごとに設置された。この状況は、現在、企業が各々にサーバが設置されているのに似ている。
では、工場ごとにある発電機を巨大な中央発電所に置き換えるとどうなるのだろうか。
コストは、中央発電所が供給する電気のほうが格段に安い。しかし、もし電気の供給が止まったら工場の稼働がさまたげられる。当時の経営者は大いに考えたようだ。もちろん、現在ではこの方式が普通だ。
クラウドは、各企業にサーバを置くのではなく、巨大なインターネットによって機能するサーバやストレージ群を活用しようという考え方なのだ。
たとえば、インターネットを並列計算環境にするためのプラットフォームとして、超高速の処理機能を実現し、データ センターからデスクトップを提供するホスト型仮想デスクトップによって、現在より格段にスマートな環境をつくりだすイメージだ。
多くの評論家といわれる人々は、そんなに急速に移行は行われないと口々にいう。
セールスフォース・ドットコムは成功しないと予想をした人々である。
明日にもすぐに移行がすすんでいくということではないが、スーパーコンピュータがレガシー技術になるかもしれないという気持ちを頭において、価値の判断をしていくことがポイントだ。