メシ、食ったか
獣医の父は、農家への早朝診療からもどると当時、小学生だったぼくによく聞いた。
これは、一般の家庭の「おはよう」のあいさつに相当する。
そういう時、たいだい父の手には、農家で往診代がわりにいただいた、採ったばかりの野菜や卵がにぎられている。
これらの幸が、早速、食卓にのぼる。
思えばたいそう贅沢な朝メシであった。
最近、都会のビジネスマンの朝食が「外メシ」の様相をみせているという。
そ・と・め・し。つまり、朝食を外食にするということである。
最近の人気メニューには、ラーメンもあるという。
もうひとつのトレンドは、「席メシ」。つまり会社に早い時間にたどりつき、自席でたべる朝食をさす。
これはいけない。
ぼくがボードメンバーを少しつとめさせてもらっている会社では、自席でものを食べないルールをつくっている。
食事をするリフレッシュエリアが別にある。
もとをたどれば、ワークライフバランス。
「ながら」ではなく、公私のタイムマネジメントをきちんとやろうという考えに基づく。
その実施例をひとつあげると、月に数回もうけている定時より1時間早く帰る日。
就業規則の定時は変えず、この日は、いつもより1時間早く「帰らなければならない」。
勤務時間を効率よく使い、早く帰る日には、スポーツをしたり、美術館にいったりして、新しいナレッジに触れ、より豊かなヒラメキを加えて仕事に取組み、シナジー効果を生みだすスタイルをつくっていこうという発想なのだ。