バルトの楽園

 1917年頃、徳島にドイツの捕虜を収容する施設があった。
 その生活と地元の人々との交流を描く。
 戦争や敵対国を憎む気持ちと、いま身近に過ごす捕虜となった人々の人となりに接することから発露する暖かな気持ち。

 様々な人間模様のなかで、最後には、坂東の地にベートーベンの第九が響く。
 吹きかえの指揮は、ヘルベルト・フォン・カラヤン師。少し早いテンポの楽曲が、映像に息吹をふきこむ。

 ここに登場する90年前の日本の人々は、皆、民度が高く、気持も姿も美しい。
 明治以来の教育がはぐくんだ新しい日本の文化だった。