ナショナルブランドが消える

 松下電器は、国内向けの「シロモノ」家電に使っているナショナルブランドを、すべてパナソニックに統一するという。
 創始者の幸之助氏が考案し、約80年間も愛され、日本家電の近代化をリードして地域文化の隅々までもを変革してきたリーダー的なブランドも、日本企業が海外になお浸透するためには、引退の道を選択したのだと思う。

 花道は、しっかりとかざってあげてほしい。
 さりながら、何ヶ月かの後に、パナソニックの名を冠した洗濯機をみたとき、かつて英国で、ケンウッドと記された炊飯器で炊いたご飯を目の当たりにしたときと同じ衝撃をうけることを、今から覚悟しておかなければならないだろう。