原子力発電所の災害

 先日、原子力発電所がある地域で強い地震があった。
 ちょうど大学の集中講義の日だったので、講師室のTVで災害の報に接した。まずは、被害にあわれた方々にお見舞いを申し上げたい。

 TVには、黒煙をあげて炎上する原発の変電設備が映っていた。映像には、白く延びる消火用のホースがみえる。消火活動の人影はない。
 僕は原子炉の臨界シミュレーションを作った経験がある。直感的に連想したのは、それまで消火にあたっていた人が、緊急にその場を離れなければいけない原因、あるいは兆候に遭遇したのではないかという感じだ。

 それは、変圧器に生じた何らかの爆発の兆候かもしれないし、もっと喫緊なものだったのかも知れない。そうでなければ、アクシデントを嫌う施設が、燃えさかるトランスを放って職員が現場を離れる理由を思いつかない。