「メディア」の領域

 竹内 理先生が主題同名の論文で、下記のように記されている。

「メディア」の領域では、まず、メディアが学習者や教授者の行動をどのように支援するのかを検討する必要がある。このような検討は、狭義にはインタフェイスの研究と位置づけられるが、最近ではアフォーダンス研究の中に包括されつつある。アフォーダンスとは、環境の中に存在し、ある種の行動を誘発する特性と定義される。おおよそこの世に存在するすべての媒介物には何らかの特性があるが、これを、たとえば学習者自身が、自分の学習行動にとって価値あるものとみなせば、アフォーダンスがある(高い)ことになる。<略>ちなみに、アフォーダンスは、メディア・リテラシの対極にあるような用語でもある

 竹内先生が論文に書いておられるが、メディアを介在したアフォーダンスによりある行動が誘発されても、それが学びの習得などに必ずつながるとはかぎらない。そこには、講師やチュータによる介助や仕掛け(関心、注意、気づき、感情の制御、課題解決のモデルを示すなど)が必要である。

 この意味において、大教室におけるレクチャー型の講義からは、どんな効果を期待すればよいのだろう。
 考えることしきりである。