マスメディアの勢いがなくなった。

あるマスメディアに在籍するひとのことばである。

インターネットによって、ひとつのニュースが、たくさんのサイトで同様に配信されるようになった。
厳しくいえば、個性がなくなってしまった。

むかし、政治部の先輩記者に聞いた話がある。かけだしの頃、国会の取材に行かされたという。
記者クラブに出入りできる記者は、記者会見が終わると、我先に国会内の公衆電話に駆け寄る。
その頃、携帯電話なんてこの世に生まれていない。
先輩記者は、その公衆電話近くの植込みのかげに隠れる。
公衆電話の記者は、それぞれの社に「○○首相が・・・」「□□大臣が・・・」と第一報を送る。

先輩記者は、これをメモして、外部の電話ボックスから自局に伝えるというカラクリである。
この報を受け取った政治部は、新米記者がどうしてこんなトクダネをと不思議がりながら、ニュース原稿を用意したという。
一見、受け売りの記事のように思えるが、先輩記者が不慣れながらもプロ魂で受けとめた言霊を感じ取って伝えた結果なのだ。
その意味でオリジナルである。

冒頭の同じ記事のデジタルコピーの結果とは、まったく異なるのだ。
いよいよ2008年、今年がいく。
来る年、2009年は、厳しい年だ。

その中でも、必ず新しいビジネスモデルがうまれ、大きく成長する。
行き詰まり、進退極まったとき、イノベーションパラダイムシフトが必ず進展していく。

新しい年が、皆さまにとって素晴らしい年になりますように。
よいお年を!