ノキア去る

ノキアは、日本における携帯電話端末の販売および販売活動を打ち切ると発表した。
現在の世界的に厳しい経済傾向の中では、日本独自の製品展開のための投資を続けていくことはできないという判断だ。

日本の携帯電話の規格は、独自の仕様が強すぎて、グローバル化が進むにつれて日本列島にとり残された格好となり、いわば独自の進化の道を歩むことになった。
一方、世界標準となったGSM方式に対応したフィンランドノキア、韓国のサムソン、アメリカのモトローラなどは、世界市場を積極的に牽引し、制覇することとなった。

こうして日本の携帯電話は、ガラパゴス状態となったと書くと、なんだかロマンチックだが、手がかかり利益が少ない市場から離れていったということでもある。

同じ現象が、翻訳出版やデジタルテレビなどに波及し、やがて波紋となって様々に伝播するかも知れない。
この国の地理上の位置は、アジア大陸よりさらに東のfar eastであり、本来、心してモノや情報を誘致や摂取することに旺盛でなければ、なにももたらされないことを、もう一度意識しなおすことが重要な時期がきた。