モノ語りづくり

日本では、古来から「草木虫魚獣」のすべての存在と自らを重ね、田の神、山の神、海の神と対話してきた。それは、現代の宮崎アニメの「となりのトトロ」や「もののけ姫」で語られるテーマに通じる。

その過程には、人とロボットの心の交流を描いたロボットアニメが生まれている。
最初の自律型ロボットの成功は「鉄腕アトム」だった。そして、リモコン操作の「鉄人28号」、人間が搭乗する「マジンガーZ」「機動戦士ガンダム」へと続いている。

アメリカのTVネットワークでも、知能をもつ車と人のコンビが活躍するドラマが作られたが、その交流の形は、日本的なそれとはかなり異なる。車に宿る心は、あくまで後天的なものとして描かれる。
それに対して、アトムのもつ心は、生まれながらに備わっている。

万物と会話をしてきた文化がもつ、日本的な感性だ。