芸能の世界という場所

 これは、私事の話なのだが、義父が亡くなって7年。今年は七回忌である。
 ぼくは、残念なことに義父を看取ることも、葬儀にもでることもできなかった。

 ちょうど、大きなイベントのラインプロデューサで、衛星中継の準備と生放送の日に重なってしまった。

 ラインプロデューサは、番組を最後まで見とどけるのが仕事だ。
 「親が死んでもやるんでしょ」。放送や芸能の世界の常套句だ。
 まさか、ほんとうにそんな日が来るとは思わなかった。
 いまだに苦い気持ちが残る。

 そして今年の七回忌も、墓参することができないので、遠くから手をあわせることにする。
 皆さんからは、いい大人なんだから、それぐらい調整しなさいといわれる。

 ○○は死ななきゃなおらない。というのはこのことかも知れない。