東京から少し北上した。

 山里には、桜、菜の花、チューリップ、たらの目、ウドなどがいっぺんにそろっている。
 太陽が西の空に傾く頃、それを追うように月が昇る。ちょうど満月だ。

 田園風景の主役の田んぼに水が入る。その水田をぬうように、細長い農道が山寺にむかって続いている。しばらく月明かりを頼りに歩いてみる。
 月と仏とおらがソバ。と詠んだのは誰だっただろうか。

 月は宇宙から地球に贈られた素晴らしい宝物だ。