ハイビジョン

 高精細度テレビジョン。愛称をハイビジョンという。
 実用当初は、赤色を写すとコメットテールを引いたが、今は昔の話である。
 高価だった撮影機材も身近になった。

 D4端子以上につなげてみると確かにきれいだ。大画面では、さらに大迫力だ。
 高品位オーディオをつけ加えるとカンペキにさえ思える。

 残った問題は作品だ。
 この技術を使ってほしい監督やキャストが、何人もあっちの世界に旅立ってしまった。
 もっともお願いしても、「俺たちは慣れたヤツで撮りたいんだ。」と静かに笑われるか、生前のあの豪快ぶりで、「あんなピィー(伏字)みたいなサイズのスクリーンで撮れるか!」と一喝されるのがオチだ。

 今年のカンヌが選んだ最高賞は、
 『THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY』/監督:ケン・ローチである。
 アイルランド独立戦争をモチーフにした少し説明的といえる映画かも知れない。

 明日は早朝に、ハイビジョンの映像を少し編集する予定だ。