国外の美術館にある日本の古美術

 大学のもつ大きな使命の一つに、文化遺産アーカイブスがある。

 日本からは優れた浮世絵、絵画、書、焼き物、刀剣などがたくさん海を渡っていった。これらの美術品が国内にあれば、国宝級・準国宝級の名品ばかりだ。反面、海外にあったればこそ、粗末な扱いや戦火から逃れることができたという事実も忘れてはならない。
 こうした名品の多くは、個人や企業のコレクションを経て、現在は公の美術館に大切に収蔵されている。

 美術館では、プロのカメラマンの手により、その当時の技術と技を集めて収蔵品を写真に収めた。作品が長年の変化によって色あせる前に。
 次は、私たちの番だ。今度はそのフィルムをデジタル・アーカイブスしなくてはならない。アナログのフィルムは、いづれ朽ち果てる。その前に、シャッターが切られたその瞬間の彩りを、現代のIT技術を動員して後世の人々に伝えるのだ。

 美術品には必ずメッセージがある。アーカイブスの際には、それらが発するメッセージを必ず引き継がなければならない。

5月公開の映画ダ・ヴィンチ・コードは、その事実にインスパイアされた作品だ。
http://www.sonypictures.jp/movies/thedavincicode/