織姫星

「人をみたら泥棒と思え」の反対の意味をあらわすことわざは「渡る世間に鬼はなし」
「石橋をたたいて渡る」の反対は、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
「どんぐりの背くらべ」の反対は、「はきだめに鶴」

 鶴といえば夕鶴。夕鶴といえば機織り、機織りといえば織姫星
 この七夕のヒロインは、7月7日の夜だけ、天の川を渡って彦星と逢うことができる。
 しかし、その夜に雨が降ると天の川の水かさが増し、織姫は渡ることができない。
 その時は、たくさんのカササギがやってきて、天の川に鳥たちの橋を架けてくれるという。

 こんなロマンあふれる伝説ができた時代は、どんな世相や経済状況だったのだろう。
 ぼくたちのこの時代からは、千年先に残るどんな美しい物語が伝えられるのだろう。

 それはいま、夜空にきらめく星たちだけが知っていることなのかも知れない。