テレビはメディアかマスコミか

 テレビとインターネットの確執。これはしばらく前に取りざたされて、みんながみんなそうだと信じた事柄だ。
 でも、最近はあまり言われなくなって、今度はツー・ウィンドウズとかスリー・ウィンドウとか(ダブル・スクリーン、トリプル・スクリーンともいう)言い方が増えてきた。

 1つは、テレビ、次がパソコンで、これでツー・ウィンドウズだ。
 これに、もうひとつ携帯電話が加わってスリー・ウィンドウズとなる。
 簡単に表せば、テレビを見ながらパソコンや携帯電話で誰かと話したりメールを交換することにより、口コミ体制ができあがっているのだ。

 このような状況はどれほどファミリアなのかなと思っていたら、この前、読んだ佐藤尚之さんの「明日の広告」(アスキー新書)によると、これを「ネオ茶の間」というと書かれている。

 なるほど。離れていても、もしかすると時間差があっても成立してしまうバーチャルなお茶の間だ。
 かつては、日本中、たいていの家にあったお茶の間は、ほとんど消えてしまったが、それにかわって電脳空間に大きな茶の間が出現し、実に大きなエネルギーを発しているのかも知れない。

 もしかすると、かつてメディアの王様といわれたテレビが、視聴者の発意によって自然にインターネットと結合することにより、新しい大きな影響力を生み出すことになるのかも知れない。