夜桜お七を聴いた

 林あまりさん作詞の夜桜お七中森明菜さんの歌唱で聴いた。
 歌いだしが、「赤い鼻緒がぷつりときれた」という曲だ。

 書籍としての林あまりさんの作品は、なまめかしい描写がとくちょうだ。
 「恋の予感をバックにつめて」(大和書房)、「最後から二番目のキッス」(河出書房新社)のほか、 「世紀末はマドモアゼル」(フレーベル館)というのもある。

 「夜桜お七」は時代かかった言だまが詰まっているばかりではない。
 「口紅をつけティッシュをくわえたら涙がぽろり もひとつぽろり」と、見事に舞台を廻している。

 ものづくりとして、取材を通じて集めたたくさんの素材を、スルドイ心の中のナイフで削いで、削いで、削いでいくと、こういう風に作品が磨かれるものなのだなあと、つくづく感心してしまう。

 学生諸君も、レポートや作品づくりの手本にするとよいと思う。

 「さくらさくら 弥生の空に さくらさくら はな吹雪」
 詩じりもキリリと決まっていて、とにかく色めかしくもいさぎよい。